2021/12/01 15:57

moduloアーキテクチャのPendant module

moduloアーキテクチャでは、キーボードとしての機能(≒ Firmware)は、Pendant moduleという部品に持たせます。

Pendant moduleの最低限必要な構成は、
・MCU(Micro Controller Unit)
・TRRSジャック(VCC, SDA, SCL, GND用)
・TRRSジャック(INT用)
・プルアップ用の抵抗(SDA, SCL用、INT用)
・リセットスイッチ(ブートローダーモードにするために必要な場合)
となります(エイビープラス生産技術研究所ガジェット分室では、独自拡張として、INT用のTRRSジャックにRGBLED用の信号を載せることもあります)。

ミニ丸ペンダントの作り方

例示もかねて、ミニ丸ペンダントの作りかたを説明します。

キットに含まれるもの

・カバープレート(アクリル)……1枚
・ベースプレート……1枚
・ボトムプレート……1枚
・TRRSジャック……2個
・タクトスイッチ……1個
・表面実装抵抗(2.2kΩ)……2個
・表面実装抵抗(10kΩ)……1個
・表面実装コンデンサ(1μF)……1個
・ジャンパピン(ジャン太)……1個
・M2スペーサー(7mm)……4個
・M2ネジ(4mm)……4個
・M2ネジ(6mm)……4個

キットのほかに必要なもの

・ProMicro(あるいはその互換品)……1個
・コンスルー(ピンヘッダ)……2本

プルアップ抵抗

I2C(Inter-Integrated Circuit)では、SCLにクロック信号を、SDAにデータ信号を波形に載せて通信します。そのON状態にかかる電圧を生じさせるため、プルアップ用の抵抗(2.2kΩ)を通して、VCC(回路の電源電圧)に繋ぎます。

moduloアーキテクチャでは、上記のI2Cの他に、INT信号用にもプルアップ抵抗(10kΩ)を通して、VCCに繋ぎます。

バイパスコンデンサ(パスコン)

電源電圧にノイズが混入することを防ぐため、TRRSのVCC信号をコンデンサ(1μF)を介してGNDに繋いでおきます。
Pendant moduleは電源側なので不要とも思えますが、一応付けておきます。

ミニ丸ペンダントでの表面実装

抵抗は表面に小さく「222」と書いてあるのが2.2kΩ、「103」と書いてあるのが10kΩです。コンデンサにはなにも表記がありません。R1, R2に2.2kΩの抵抗を、R3に10kΩの抵抗を、C2にコンデンサを半田付けします。
ダイオードは異なり方向性はないので、付けやすい向きに実装してください。

プルアップ抵抗とパスコンを半田付けすると上記のような状態になります。

ブートローダーモード

ProMicroでは、リセットピンを素早く2回、GNDに接地することでブートローダーモードになります。
そのため、ミニ丸ペンダントではタクトスイッチを実装します。

タクトスイッチと、ついでにTRRSジャックを実装すると上記のような状態になります。

コンスルー

ミニ丸ペンダントでは、ProMicroをコンスルーで接続するように作られているので、コンスルーを差し込みます。

これを位置合わせに利用して、ベースプレートとボトムプレートを固定します。
具体的には、ベースプレートとボトムプレートを重ねて、スペーサーとネジ(6mm)を使ってネジ止めします。


独自拡張のRGBLEDのオプトイン

moduloアーキテクチャでは、INT用のTRRSに空きがあります。
そこで、エイビープラス生産技術研究所ガジェット分室ではINTで使用していない方の「R」にRGBLEDの信号を載せて使用する独自拡張がなされている場合があります。

とはいえ独自拡張なので、通常は使用せず、使用したい場合にはジャンパピンで繋ぐという方針をとっています。

SW2のON側を中央と繋ぐと、INT用のTRRSにRGBLEDの信号を載せます。
off側に繋ぐと、ミニ丸で一体化させるときに使用するピンにRGBLEDの信号が繋がります。

TRRSに載せるようにピンを繋ぐと上記のような状態になります(ついでにProMicroも差し込んでいます)。

カバープレート

最後にカバープレートの保護紙を剥がしてミニ丸ペンダントにネジ(4mm)で止めればできあがりです。